2022.09.07
「木下晋展 明日へ」ギャラリートーク備忘録2
「夢想」2022
9/3ギャラリートークにて
こんにちは
新潟県見附市
みつけ市民ギャラリー(ギャラリーみつけ)です。
9/3に行われた「木下晋展 明日へ」ギャラリートークのお話です。
1980年代に自分の母をモデルとして鉛筆画の大作を描き始めた木下。最後の瞽女小林ハルさんとの交流後、木下は描きたい人たちをモデルに次々と作品を発表します。
元NHKアナウンサー青木裕子が、群馬県草津の国立療養所栗生楽泉園にハンセン病の詩人桜井哲夫を訪ねると偶然知り木下は同行します。NHKの「にんげんドキュメント」で桜井のことに興味を持ち訪問した木下が部屋で見たのは、薄暗い夕方電気もつけず壁際に背を向けてじっと座る桜井の姿でした。
木下はこの後ろ姿に電気の走るような衝撃を受けます。「俺はこの背中をした人をふたり知っている。」それは瞽女小林ハルと母でした。ゾッとするような想像を絶するはかり知れない深い孤独。木下は桜井の孤独を知りたいと思ったのです。
食事をし酒を飲み、学生と訪れ桜井との交流を続ける中で、約1年後桜井から「モデルになりたい」との言葉をもらい、2011年に桜井が旅立つまでスケッチしながら話を聞き続けました。
「木下晋展 明日へ」会場の様子 桜井を描いた作品と鉛筆グラデーションチャート
舞踏家で大道芸人のギリヤーク尼ケ崎は今90歳を超えても公演を続けている。木下の40年来の友人である。踊りではなく普段のスマートなギリヤークさんを描きたかったのです。
「ギリヤーク氏像」1980 ブロンズ
木下がもともと中学生の時始めたのは彫刻だった。中学の美術の先生や富山大学の大滝直平、そして木内克に教えてもらった。立体的にものを見る眼はここから身についたのだと思う。
「麗子像」1972 ブロンズ